かんぽ生命 21年度末決算 当期純利益は4.8%減、経常利益は3%増、3561億円に
 かんぽ生命は5月13日、2021年度末決算を発表した。連結業績では、経常収益は前年同期比▲4.9%減の6兆4542億円となった。新契約が想定を下回ったことなどにより保有契約が大きく減少したものの、事業費が減少し、加えて順ざやが増加したため、経常利益は同3.0%増、親会社株主に帰属する当期純利益は同4.8%減となった。個人保険新契約年換算保険料は同50.7%増となったが、募集品質問題発生前の19年3月期(18年度決算)との対比では▲86.9%と大きく減少している。22年度の連結業績予想については、経常収益6兆2200億円(前期比3.6%減)、経常利益1600億円(同55.1%減)、当期純利益710億円(同55.1%減)、1株当たり当期純利益177円70銭と見込む。

 連結主要業績のうち、経常収益は前記の通りで、このうち保険料等収入は同2789億円減の2兆4189億円、資産運用収益は同274億円増の1兆1491億円、責任準備金戻入額は同311億円減の2兆8642億円だった。経常費用は同3423億円減の6兆980億円で、このうち保険金等支払金が同3167億円減の5兆5493億円、資産運用費用が同10億円減の697億円、事業費等が同245億円減の4790億円となった。以上の結果、経常利益は同103億円増の3561億円で、親会社株主に帰属する当期純利益は同80億円減の1580億円。総資産は前期末比4.3%減の67兆1747億円、純資産が同14.8%減の2兆4210億円。
 かんぽ生命単体ベースでは、保有契約の減少等に伴い保険関係損益が減少した一方で、順ざやが増加したため、基礎利益は前年同期比151億円増の4371億円となった。危険準備金の超過繰入の増加に伴い臨時損益が減少したものの、キャピタル損の改善により、経常利益は同107億円増の3557億円となった。キャピタル損益に対しては、その相当額の価格変動準備金を繰り入れる、または取り崩す会計処理を継続して実施していることから、当期純利益は同77億円減の1578億円となった。
 契約の状況では、新契約年換算保険料(個人保険)は461億円で前年同期比50.7%増。このうち第三分野は21億円で同49.0%増。保有契約年換算保険料(個人保険)は3兆5389億円で前期末比8.2%減、このうち第三分野は6270億円で同6.3%減と、それぞれ減少が続いている。
 個人保険の新契約件数は前期比38.8%増の17万件。商品別では、養老保険が13万件(占率76.9%、前期比3.8ポイント上昇)、終身保険が1万件(占率10.5%、前期比0.7ポイント上昇)、学資保険が2万件(占率11.7%、前期比5.3ポイント低下)だった。保有契約件数は、新旧区分合算で前期末比8.2%減の2280万件。商品別には、養老保険が785万件(占率:34.4%、前期末比2.1ポイント低下)、終身保険が1156万件(占率:50.7%、前期末比2.1ポイント上昇)、学資保険が325万件(占率:14.3%、前期末比0.1ポイント低下)だった。
 資産運用については、株式、外国証券等の収益追求資産は、オルタナティブや国内株式への投資を継続したことから残高は増加。国内の公社債は、安定的な収益が確保できる資産として長期債と超長期債を中心に運用を行ったが、償還等により残高は減少した。貸付金は、郵政管理・支援機構への貸付、シンジケート・ローン、地方公共団体貸付、保険約款貸付を実施しており、郵政管理・支援機構への貸付金の償還により残高は減少した。
 資産運用収益については、総資産残高の減少に伴い利息及び配当金等収入が減少したものの、金銭の信託運用益等が増加したことから、前記の通り1兆1491億円となった。資産運用費用については、有価証券売却損が増加したものの、為替リスクのヘッジに伴う金融派生商品費用の減少等により、前記の通り697億円。その結果、資産運用収支は、前期比285億円増加し、1兆793億円となった。
 順ざや・利回りの状況は、順ざやが1407億円で、平均予定利率が前期比0.01ポイント低下し1.68%、利子利回りが同0.12ポイント増の1.94%だった。また、キャピタル損益は17億円の損失(前期は171億円の損失)となった。
 連結ソルベンシー・マージン比率は、前期末から75.7ポイント低下し1045.5%。
 22年3月期の株主還元等については、普通配当が1株当たり90円。23年3月期の配当は1株当たり92円(中間46円、期末46円)を予定している。
 23年3月期の業績予想については、経常利益と当期純利益は、新しいかんぽ営業体制における日本郵便からのコンサルタントの受け入れおよび事業運営の定常化に伴う事業費の増加などにより、大きく減少を見込む。「新しいかんぽ営業体制の下、新契約の回復を通じた保有契約の確保を目指す」としている。