東京海上日動 C―ASTECと連携 保険で航空宇宙産業支援
 東京海上日動は6月13日、一般社団法人中部航空宇宙産業技術センター(会長:豊田鐵郎、以下「C―ASTEC」)と連携し、航空機部品・宇宙機器部品加工を行う中小企業向けの新たな専用保険を活用した独自の支援制度を開始することを発表した。同取り組みは、航空機部品・宇宙機器部品加工に取り組む中小企業の事業の安定化と、航空クラスター形成(アジアbP航空宇宙産業クラスター)による国際競争力の向上を支援するもので、日本の航空宇宙産業の発展に貢献し、さらには地方創生に寄与することを目指す。

 航空機産業は、高い安全性が求められる産業であるとともに、日本の産業全体に対する技術波及効果を持ち合わせる高付加価値産業。また、今後20年間で規模が2倍に拡大するといわれている成長産業でもある。
 一方、航空機の製造事業者には、JISQ9100に基づく非常に厳格な品質管理が求められる点や、事業参入から安定的な収益の確保に長期間を要する点といった難しさがあると同時に、昨今では、LCCの台頭や完成機体メーカー間の競争により、製造事業者へのコスト削減要請や、国際競争の激化といった環境変化が起きている。
 このような状況の下、経済産業省や自治体が進める航空宇宙産業クラスター形成(一貫生産体制の構築)と海外企業との取引拡大に資する取り組みとして、東京海上日動とC―ASTECでは今回、国内の航空宇宙産業生産高の5割超を占める中部地域から、新たな専用保険を活用した独自の支援制度を開始することとした。
 東京海上日動が新たに開発した専用保険(航空サプライチェーン保険)では、保険による補償に加え、東京海上日動とC―ASTECが、製造者の部品加工ビジネスにおける事故情報を収集・分析し、事故防止策として還元していく。
 同保険は、▽受託した部品加工中の損害を、自社だけでなく協力会社委託中も含め一貫して補償▽火災、風水災、盗難、輸送中の破損による損害に加え、これまで補償されなかった加工作業中の加工ミスや材料の不具合による損害を幅広く補償▽輸送中に発生した損害のうち、責任の所在が確定できず、負担を余儀なくされた損害も補償―といった点が特徴。高額な材料や部品の破損による多額の損害発生など航空宇宙分野特有のリスクを補償することで、航空機部品・宇宙機器部品加工を行う中小企業の経営や、サプライチェーンの安定化に寄与する。
 事故防止提案では、破損事故の発生しやすい工程や作業を把握し、事故の原因を東京海上日動独自の人間工学の知見とC―ASTECの技術情報を活用して分析することにより、再発防止の提案を実施する。
 今後、東京海上日動は、同取り組みで得られた知見を活用し、航空宇宙産業のサプライチェーンにおけるさらなる保険を検討。C―ASTECは、会員企業と連携したより一層の中小企業支援策を検討する。両者は、この取り組みを全国に広げ、日本における航空宇宙産業のさらなる発展を支援していくとしている。