第198回航空保険プール委員会 委員長に寺林努氏(東京海上日動)選出、16年度提供保険料108億円
 日本航空保険プールは7月20日、トーア再保険で、第198回航空保険プール委員会を開催し、一般概況報告とともに2016年度プール運営費決算報告など各議題を審議・承認した。16会計年度のプール提供(グロス)保険料は、前年度の約149億円から約41億円減少し、前年比72.3%の約108億円となった。また、先ごろ実施した委員長・副委員長選挙の結果について報告され、委員長に寺林努氏(東京海上日動常務執行役員)、副委員長に大知久一氏(三井住友海上取締役常務執行役員)を選出した。

 国際マーケットの動向としては、次の報告が行われた。
 01年の米国同時多発テロの影響で急激にハード化したエアライン分野の機体・賠償責任保険の料率水準は、09年に発生したエールフランス機の大口事故直後の一時的なハード化という一部例外を除き、航空機の安全性向上も手伝い一貫してソフト化傾向が続いている。
 14年にはマレーシア航空で2件の大口事故(3月8日のインド洋消息不明事故と7月17日のウクライナ上空撃墜事故)を含む複数の大口事故が発生したが、マーケットの反転には至らなかった。
 16年は総じて大口事故が少ない年であったといえ、ソフト化傾向が継続。機体戦争保険の料率水準は、14年以降多くの事故が発生したものの、現行料率水準の据え置きもしくはわずかな引き上げ程度にとどまった。
 16年暦年ベースのジェット旅客機の全損事故件数は15件、死亡乗員・乗客数は209人(いずれも旧ソ連地域で製造された機体によるものは除く。以下同じ)だった。このうち、乗員・乗客の死亡が伴った事故は7件で、特に死亡者が多かった事故は、3月19日のフライドバイ981便墜落事故(62人死亡)、5月19日のエジプト航空804便墜落事故(66人死亡)、11月28日のラミア航空2933便墜落事故(71人死亡)だった。
 この他、死亡者数こそ少ないが、16年に発生した大口事故としては、8月3日発生したエミレーツ航空521便着陸失敗事故が挙げられる。
 17年に入ってからのジェット旅客機の全損事故は6月1日現在で2件。このうち、1月16日のターキッシュエアラインズ6491便墜落事故では乗員4人に加え地上の住民にも死亡者が出た。
 16年暦年ベースの人工衛星保険マーケットは、ソフト化の影響や主要ロケットによる打ち上げ数が前年の25回に比べ21回と減少した結果、収入保険料は前年対比で減少した。事故については、全損事故(プログレスMS―04)と分損事故(インテルサット33e)が各1件発生したが、マーケット全体としては黒字となった。
 17年については、これまでのところ市場動向に変化は見られない。