◆国土交通省、既存住宅にも保険制度の検討を開始[2009年]
 住宅瑕疵担保責任保険の施行により、10月から新築住宅を対象に保険または供託が義務付けられるが、国土交通省は既存住宅やリフォーム住宅についても欠陥が見つかった場合に補修費の一定割合を保障する新たな保険制度の検討を開始した。5月26日に同省社会資本整備審議会住宅宅地分科会で着手したもので、今年中に制度の詳細をまとめる方針。リフォームについては工事業者が加入する賠償責任保険をイメージしている。保険が付与されることで買い主の不安を解消し、ニーズの高い既存住宅の流通を促すことを目的としている。
 住宅品質確保法の適用により、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分については10年間の瑕疵担保責任保険が義務付けられ、また、住宅瑕疵担保履行法により、履行確保措置として保険または供託が義務付けられる。しかし、中古住宅はこれらの適用外だった。新制度で対象とするのは新耐震住宅基準の1981年以降に建てられた戸建住宅やマンション。中古宅の保険制度はこれまでも存在したが、対象が新築後15年以内、戸建住宅とするなど加入要件が厳しいために、されてこなかった。また、現行の保険制度では保険期間中に転売した場合には保険は引き継がれなかった。
 新たな制度は、売り主の不動産会社などが任意で保険に加入し、国交相が指定する瑕疵担保責任保険法人が住宅を検査し、保険を引き受ける。保険法人が元受になり、民間の損保が再保険を引き受ける。保険料は10万円から20万円ほどで、買い主が住宅購入後5年程度の間に床や屋根などに欠陥が見つかった場合、買い主が売り主に補修費を請求し、売り主には費用の8割、1000万円を上限に保険金が支払われる。同省は売り主が破たんした場合に買い主が直接保険金を請求できる「転売条項特約」の創設も検討する。
 今後の検討課題として、既存住宅では売り主の責任を前提としない物保険は保険リスクが著しく高く、保険として成り立たないことなどが挙げられる。また、リフォーム工事には、マンションの計画修繕、耐震改修など大規模なリフォーム、設備更新などの軽微なリフォームなどさまざまな規模や内容があり、それぞれの工事の内容を勘案して保険内容や評価・表示制度を検討しなければならないことがある。
 国土交通省住宅局住宅生産課は「中古住宅を買う際の不安を和らげ、住宅市場の活性化を目指している。来年度にも新制度をスタートさせたい」と話している。