◆東京スター銀行、変額「ラヴィ・日経225」で窓販参入以来の売れ行き[2009年]
 東京スター銀行が今年1月から販売を開始した仕組み債を内包した変額年金「ラヴィアンローズ・日経225」の販売が急激な勢いを見せた。同商品は募集期間があるタイプの変額年金だが、3月に入りわずか18営業日で1000件超、40億円超を売り上げ、2002年に同行が保険窓販に参入して以来の快挙となった。同行では好評の理由について、預金より高い利回りを求める顧客に対して、一定の条件の下、毎年2%の収益分配金という目に見える形で利回りを提示できる安心感が預金志向の強い銀行顧客と親和性があることや、中長期でも高いレートで運用したい顧客のニーズをとらえた点が評価されたと分析している。ただ、同商品の供給元のカーディフ生命が現在、変額年金ビジネスを休止しているため、東京スター銀行は「金融危機下の厳しい時代に顧客ニーズを的確にとらえた商品」として販売再開を切望している。
 変額年金「ラヴィアンローズ」(フランス語で“ばら色の人生”の意)の商品内容をリニューアルした「ラヴィアンローズ・日経225」は今年1月8日に東京スター銀行で募集を開始した。それ以前のラヴィアンローズと変わったのは参照資産を米ドルや豪ドルの為替レートではなく、日経平均株価とし、運用期間を最長5年とした点。3月募集分を例に取ると、一時払い保険料に対して毎年2%の収益分配金を受け取ることができ、短期間の資産形成を可能としている。
 為替レートではなく、日経平均株価を参照資産とすることで運用機能に着実な収益性を加え、幅広い年齢層に確かな資産づくりを提供、日本人の安定志向ニーズを汲み取った商品設計を実現した。
 一時払い保険料に対して半年ごとに1%の収益分配金、つまり、毎年2%の収益分配金が確保され、繰り上げ償還とならずに最終判定日を迎えた場合、約5年で満期償還となり、自動的に運用を終了。一定の条件を満たした場合、一時払い保険料と収益分配金の合計額を年金または一括で受け取ることができる。
 同行によると、金融危機下で各保険会社の変額年金商品の休止などが相次ぐ中で、「ラヴィアンローズ・日経225」は1月、2月、3月と急速な売れ行きを見せ、特に3月期に入るとわずか18営業日で40億円を超す拡販ぶりを見せた。こうした状況は、同行が02年に保険窓販に参入して以来初めてという。
 同行では「この商品は最長約5年、最短約3年の運用期間。変額年金は運用期間の短期化が一つのトレンドになっており、最近では運用期間が1年という商品も存在している。しかし、中長期でもよいから預金よりも高いレートで運用したいと望む顧客が依然多いことも事実。資産運用全般においては短期や長期といった運用期間に対するニーズが多様化する中で、『ラヴィアンローズ・日経225』は、その両方の顧客のニーズに合致した商品だったのではないか」と分析している。
 銀行の顧客層は証券会社の顧客層と比較すると、安定志向が強い。同行では「いい時はこのくらい上がる可能性があり、悪いときはここまで下がる可能性があるというあいまいな説明にとどまる商品より、一定の条件の下、収益分配金という目に見える形で利回りを顧客に提示できる『ラヴィアンローズ・日経225』は安定志向の強い銀行の顧客との親和性が高い」と指摘する。
 「ラヴィアンローズ・日経225」が非常に好評だったため、東京スター銀行としてはさらなる拡販を目指したいところだが、商品供給元のカーディフ生命が金融危機下で急きょ変額年金ビジネスを休止しており、東京スター銀行をはじめとする販売会社各社への商品供給が停止している。
 東京スター銀行リテールバンキングビジネスのヴァイスプレジデントの高島武彦氏は「今という時を的確にとらえた商品だけに販売できなくなってしまったのは非常に惜しい。顧客ニーズを汲み取っていただき、ビジネスチャンスを逃さないためにもぜひとも供給再開を再検討してもらいたい」と話している。