グローバル経済下のサプライチェーンとリスク
著者 石井 隆
出版社 保険毎日新聞社
発行日 2019年7月20日
体裁・価格 本体1800円+税/送料450円+税
A5判/200ページ
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効率的なサプライチェーンの構築と運営は、企業間競争に勝ち残るための鍵である。その一方で、拡大化・複雑化し続けるサプライチェーンの管理(SCM)と、サプライチェーンに万一障害が発生した場合、その寸断に備えた対策を講じておくことが重要な経営課題になってきている。
サプライチェーンに対するリスク事象は、自然災害をはじめ、火災・爆発、サイバー事故、テロ攻撃等の人為災害、国家間の経済制裁問題など多岐にわたるため、個々のリスクすべてを想定しての対応は不可能で、そのため企業は、高い資本効率の実現を図るためには、リスクヘッジのコストと利点を比較し、最適な選択あるいは組み合わせを検討することが必要とされる。
本書は、サプライチェーンが果たしてきた歴史的意義と仕組みを概観し、歴史的認識に基づいて現在の高度なITの普及に支えられてグローバル化・高額化・複雑化したサプライチェーンについて、リスクを中心に特徴と問題点、脆弱性などを検証する。そして、現代のサプライチェーンに関するリスクに対して企業はどのように対処すべきか、ということについて分析検討を行っている。

■本書の内容:
第T部
第1章 グローバルなサプライチェーンの始まり
1.17世紀のイギリスの海洋進出―スペインからオランダ、そしてイギリスへ
2.イギリスの海洋進出と植民地経営
第2章 イギリスの世界覇権確立と金融、保険
1.産業革命と資本
2.Lloyd's と保険市場の発展
第3章 アメリカ合衆国の経済発展とサプライチェーン
1.フロンティアによる自国領土拡大
2.アメリカ合衆国国内におけるサプライチェーンの完成
第4章 アジアの海洋国「日本」
1.海運の利用
2.明治維新の目的
3.大東亜共栄圏とエネルギー資源
4.日本の造船と海運力
5.世界最大の債権国
第U部
第5章 サプライチェーンの拡大と高額化・複雑化
1.企業の多国籍化と国際的分業―国境を越えたサプライチェーンの拡大
2.国境の概念のないITの普及
3.金融の自由化と国際化
4.地域経済圏、FTAとEPA、保護主義
第6章 サプライチェーンと事業中断
1.事業中断リスクの重大性
2.気候変動
3.物理的損害を伴わない事業中断リスク
第7章 サプライチェーンリスクへの対応
1.ERM(統合型リスクマネジメント)の目的変化
2.追加資本による対応の困難性
3.事業中断リスクに対する保険(保険類似金融商品を含む)
4.保険による資本効率の向上
5.戦略的再保険の利用
6.リスクテーカーの主役の交代