保険金請求権の現代的課題 第三者のためにする生命保険契約における固有権性

編著者 長谷川 仁彦・清水 耕一・横田 尚昌・河森 計二・桜沢 隆哉・金尾 悠香・常井 涼子 著
出版社 保険毎日新聞社
発行日 2020年3月20日
体裁・価格 本体4000円+税/送料450円+税
A5判/232ページ
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本書は、生命保険契約の形態のひとつである「第三者のためにする生命保険契約」について、保険契約者(要約者)・保険者(諾約者)・保険金受取人(受益者)の関係性や権利の法的構造を、保険法と民法との比較を交えて解明するとともに、保険金受取人が取得する保険金請求権の固有権性に焦点を当て、その意義・内容や性質、機能などを多角的な視点から論究するものである。
具体的には、保険契約者と保険金受取人間の対価関係や保険契約者と保険者間の補償関係に係る地位や諸権利についての具体的内容やその処分、また、そこから派生する様々な法律問題(例えば保険金請求権の譲渡・放棄、受取人による介入権や質権設定、契約者や受取人の相続、相続債権者と保険金等々)を取り上げて仔細に検討し、保険金受取人の権利の固有性をめぐる考え方とその在り方を浮き彫りにする。
加えて、保険金請求権に関わる事案の実際と法的な解釈論を、これまでの裁判事例を紐解きながら解説し、更には、フランス、アメリカ、ドイツ、イタリアなど諸外国の法制度を紹介の上、各国の保険金受取人の地位と利害関係者との調整の方法などについて、我が国の制度を踏まえて比較法的に考察している。
なお本書は、2014年に神奈川大学法学研究所において立ち上げた「保険金請求権の現代的課題に関する研究会」での議論を糧に、錯綜する第三者のためにする生命保険契約における諸問題や課題に対し、会のメンバーが独自に迫り研究した成果を、それぞれの観点から論文に著し、一冊にまとめて刊行するものである。

■本書の内容:
第1章 我が国の対価関係をめぐる議論
T 第三者のためにする生命・傷害疾病定額保険契約
U 保険契約に基づく保険金受取人の保険金請求権
V 保険金受取人の指定と公序良俗違反
W 保険金請求権の譲渡と質権設定
X 保険金受取人による保険金請求権の放棄
第2章 第三者のためにする生命保険契約における保険金請求権の帰属
T 保険金受取人の保険金請求権と固有権性
U 射倖契約の有償契約性と双務契約性
V 有償契約性と固有権性
W 双務契約性からみた保険金請求権の固有権性
X 保険金受取人の地位と危険負担を受ける権限
Y 保険事故発生前における保険契約者から保険金受取人への価値の移転内容
Z 保険事故発生後における保険契約者から保険金受取人への価値の移転内容
[ 持戻しについて
\ おわりに
第3章 「第三者のためにする契約」導入経緯と対価関係について
T はじめに
U 我が国における「第三者のためにする契約」導入
V 受益者の地位と固有権性についての若干の整理
W 本稿のまとめ
第4章 判例から見た保険金請求権とその機能
T はじめに
U 「第三者のためにする保険契約」について
V 自己のためにする保険契約
W  保険金と持戻し・遺留分への影響
X むすび
第5章 保険金受取人の地位をめぐる諸外国の法制度の考察
T はじめに
U 保険契約上の諸権利の所在
V 保険事故発生前の利害調整について
W 保険事故発生後の利害調整について
X 相続法的調整
Y おわりにかえて
第6章 生命保険金請求権の固有権性について−イタリア法との比較
T はじめに
U 生命保険金請求権の固有権性についての意義
V 保険金請求権と相続
W 保険金受取人先死亡・同時死亡場合の権利の行方
X おわりに
第7章 ドイツ法における第三者のためにする生命保険契約の固有権について
T はじめに
U ドイツ法における第三者のためにする生命保険契約の受益権
V 対価関係と受益権
W 生活保障機能としての保険法の役割